2024.01.08

レポート

「DESIGN WEEK KYOTO 2023 -Food & Fuudo-」学生参加レポート④

4日間にわたり開催された「DESIGN WEEK KYOTO 2023 -Food & Fuudo- 京都のモノづくり現場を巡るラーニングツアー 」の3日目、この日は京都市でモノづくりの現場を体験しました。

同志社大学広告研究会 add's から参加したのは、私以外に広告について学ぶ大学生。
そしてカメラ好きな友人。

モノづくりについての作り手の想いを学べた貴重な経験でした。

今回のツアーでは、訪問先の地域やモノづくりの現場の歴史やストーリー、担い手の想いを知る「X-Culture Coordinator(クロスカルチャーコーディネーター)」が私たち参加者と地域の担い手との交流と学びを後押ししてくださいました。

  • ツアーのスケジュール

    ①田中直染料店(9:30~11:00/染め体験付き)

    ②ランチ(ごはん処 矢尾定)(11:15~12:15 )

    ③ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川(13:15~14:15)

    ④VIGORE(ビゴーレ・カタオカ)(15:00~16:00)



    集合場所は、五条駅。アクセスしやすい場所からのスタートです。

    参加者が集まり次第、さっそく、「田中直染料店」さんに向かいます。
    場所は五条駅から約五分。
    他の参加者の方々とお話ししながら歩いていると、あっという間です

染め物をもっと身近に「田中直染料店」

「田中直染料店」さんは、約300年続く老舗染料店。
田中 直輔さんより染料などのご説明をしていただきました。
「芸術学校の学生のために少量での量り売りもしている」とのこと。

同じ学生として、寄り添ってくださるのはとても嬉しいです。

田中直染料店

そしてお楽しみの、染め物体験。

なんとレンジ染という手法を体験させていただきました。
レンジで出来るんだ!?と驚きつつ、作業に取り掛かります。

真っ白なハンカチを折ったり、丸めたり…その後、染料をスポイトで垂らし、みなさん思い思いに染めていきます。

ラップで包み、レンジで温め、水でゆすぐと完成!
なんと手軽なのか…初心者の私でも楽しく体験できました!

「染め物をもっと身近に感じてほしい」という田中さんの言葉通り、染め物に対する意識が変化した体験でした。

こちらをご覧ください!
多種多様な染め物の数々を!
こんなに個性が出るとは思いもしませんでした。

「染め物に失敗はない、味となる」と田中さん。

見れば見るほど、愛着が湧いてきます。

染め物は持ち帰らせていただきました。今も愛用しています。

「ごはん処 矢尾定」で美味しい和食をいただきました

ごはん処 矢尾定で、和食をいただきました。

店内は、木を感じられる造り。雰囲気も相まって料理が美味しい。

ご飯もおかわりしちゃいました。
こういう時、日本に生まれて良かったと感じます。

お腹が満たされ、続いてゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川にバスで向かいます。

「ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川」で共創を

今回交流させていただいたのは、アーティストであるバーバラ・エネスさん、カルラ・マックス・アッシェンブレナーさんです。

お二人が関わっておられる舞台美術は、作っては壊しを繰り返し、数回の上演を終えた後はゴミとして廃棄されるものですが、江戸時代の循環型エコロジー社会に刺激を受け、サスティナブルな劇場を目指しているとのこと。

日本人として大変嬉しいですね。

今回の交流では、X-Culture Coordinator(クロスカルチャーコーディネーター)育成プログラムの講師でもある 中山 慶さんが多国語逐次通訳者として交流を促してくれました。

ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川

竹で作った分解組み立てができる循環型劇場の基礎となるモジュールについてアイデアを出し合いました。

様々な背景の人が集い、意見を出し合う。これこそ共創。

共創の結果、ロープで角と角を結び、機能性を保ったまま、耐久性を高めるというアイデアが生まれました。

横山竹材店をはじめとする職人の方々に縄の結び方を教わりながら、みんなで形にしていきます。
私は、男結びという結び方を教えていただきました。

国や背景が違えど、この時は、気持ちが一つになっていました。

名残惜しみながら、次のモノづくり現場へと向かいます。

続いてはタクシーで、自転車づくりを学びにVIGORE(ビゴーレ・カタオカ)に向かいます。

進化を続けるモノづくり「VIGORE」

店内に入ると目に入ってくるのは、洗練された自転車の数々。
ワクワクがとまりません!欲しくなっちゃいました。

ビゴーレ・カタオカ

4代目(予定)の片岡 有紀さんによると
「京都の風景に溶け込む自転車、アップダウンに適した自転車などを作っている」

最近はサイクリングが流行っていますよね!
今の時代にあった自転車を作っていこうという想いが感じられます。

続いて、工房に入りました。見慣れない道具がいっぱいです!
自転車フレームの材料を曲げる機械や角度を測る機械など。滅多に見られないと思います。

「親のやり方を私の代で変えました」
「機能美を兼ね備えた新しいものを作る」
「体を動かす時に手足の延長のように機能する自転車をフレームビルダーとして作る」

と語るオーナー兼フレームビルダーの4代目片岡 聖登さん。

 ※フレームビルダー:自転車のデザイン設計、素材の選定、金属加工、溶接を一貫して行う人

こだわりを持って自転車を作っているのが伝わってきます。
職人さんも時代に適応して進化しているんですね…

店内の自転車をじっくり眺めてから、参加者の皆さんと感想を話し合いました。

みなさんモノづくりに対して、視点が変わり、知識も深まったと話しておられました。
もちろん私も。


ツアー後は現地解散。友人と今日を振り返りながら、モノづくりの奥深さ、職人さんの想いを思い出し、とても満たされた気持ちになりました。

このツアーの経験が私と友人に変化をもたらしたのは、間違いありません。

執筆: 同志社大学広告研究会 add’s 橘川悠吾