CRAFTTHON 2020

THEMEテーマ

今年のテーマは「バグ!」

京都を舞台に2017年より毎年開催されているクラフトソン(=クラフト(工芸)×ハッカソン)。
今年度はオンラインでの実施となり、全国から参加者を募集します! 2020年のクラフトソンのテーマは「バグ!」。
技術や文化を発展させてきた「バグ」をどのように生活の中に取り戻すのか?
そんな視点から、地域に根づいたモノづくりの可能性をアップデートするサービスやプロダクトを考えます。

どうして「バグ!」というテーマを選んだの?
コンピューターやテレビゲームなどでよく使われる「バグ」という言葉は、「プログラム上の不具合 ・誤り・欠陥」を指します。「よくないもの・厄介なもの」とされる「バグ」ですが、実は視点を変えると「今までにできなかったことを実現するための重要なきっかけ」となることがあります。

▼バグ bug

(プログラム上の)
・誤り
・欠陥
・不具合
そもそも私たち人類の進化も遺伝子の突然変異という「バグ」によるものです。社会を発展させてきた新しい価値観、文化や技術も様々な「バグ」を通じて生まれてきたことを考えると、今起きているコロナ禍もあるいはそのひとつなのかもしれません。そう考えるとこの「バグ」は、取り除くのではなく活用するという姿勢が有効ではないでしょうか。

近代以降の産業では、「工程を完璧にコントロールしバグを最小化する」ことが推し進められてきました。しかし、そういった効率化の結果として「予想を超える大きな変化」は起きづらくなっています。一つ一つが異なる自然素材と向き合い、「勘」や「感性」を伴った手しごとを行うクラフトは「バグ」そのものを内包している存在です。そこにクリエイティブのヒントがあるような気がしてならないのです。

京都の歴史の中で長い時間をかけ研ぎ澄まされた美意識と技術の粋「クラフト」と、この進化をもたらす「バグ」の視点を掛け合わせたとき、はたしてどんな画期的なアイデアが生まれるのでしょうか?伝統からこそ、新しい時代に求められる未来の価値が発見されるのではないかと期待しています。

PROGRAM DETAILSプログラム詳細

チームビルディング

2020.08.20(木) 18:30〜22:00

オンライン

  • クラフトソン概要・ワークショップ使用ツール(Zoom、Miro、Slack)の説明

    クラフトソン2020の概要・目的について説明し、ワークショップ当日に使用するツールの説明をし、実際に参加者で使用しました。

  • ワークショップ参加メンバー同士の自己紹介

    クラフトソンで取り組んでみたいテーマ・アイデアを話し、Miroのボード、ZOOM画面両方で自己紹介しました。

  • うなぎの寝床 白水 高広氏 トーク・質疑応答

    株式会社うなぎの寝床 代表取締役 白水高広氏に「工芸におけるバグと、現代のビジネスモデル」というテーマでお話いただき、ワークショップする上でのヒントをいただきました。

アイディエーション・ワークショップ

2020.08.29(土) 08.30(日)10:00〜19:00

オンライン/京都リサーチパーク

  • オリエンテーション・アイスブレイク

    まずはじめに参加者がZOOMのブレイクアウトルームで分かれ、バリューカードを使いお互いの価値観を共有し合い、メンバー同士の相互理解を深めました。

  • ⽟利康延⽒ インスピレーショントーク

    「東北食べる通信」の立上げなどに関わってこられた玉利康延氏から、ご自身の活動から感じておられることについてのインスピレーショントークをしていただきました。

  • アイディエーション

    工芸や暮らしについて分解・言語化し、それらを掛け合わせ、暮らしの中にどう工芸を入れるのかをディスカッションし、ビジネスモデルを考えました。

  • 各チームアイデア中間発表、⽩⽔⽒からのフィードバック

    各チームの途中経過を発表し、8月20日のチームビルディングで工芸とバグについてお話いただいた、株式会社うなぎの寝床 代表取締役 白水氏より各チーム4分ずつフィードバックをいただきました。

  • 最終発表・審査

クラフトソン2020は新型コロナウイルス感染防止のため、オンラインツール(Zoom、Miro、Slack)を使用し、オンライン上で開催いたしました。

SPEAKER登壇者

  • 玉利 康延(タマリ ヤスノブ)

    Designer, Art Photographer

    1979年、東京生まれ。高校中退後、エレファントデザイン株式会社に入社、経営者のヴィジョンを実現していくためのデザイン手法を学ぶ。2000年代、文化人類学者・竹村真一氏やサステナ・マエキタミヤコ氏と共に環境・社会問題の情報デザインを行う。また、地域の一次産業のプロジェクトを手掛け「ニシアワー」「東北食べる通信」などに立ち上げから参画。2014年にグッドデザイン賞 [金賞] 受賞。情報デザインの手法を活かし、情報デザインファーム・エトピリカを2018年に設立。食とアニミズム 著者。

    エトピリカ:https://etpk.net/
    東北食べる通信:https://etpk.net/tohokutaberu
    食とアミニズム:https://food-animism.com/

  • 白水 高広(シラミズ タカヒロ)

    株式会社うなぎの寝床 代表取締役

    1985年佐賀県小城市生まれ、大分大学工学部福祉環境工学科建築コース卒業。2009年8月厚生労働省の雇用創出事業「九州ちくご元気計画」に関わり2年半プロジェクトの主任推進員として動く。同事業は2011年グッドデザイン賞商工会議所会頭賞を受賞。その後2012年7月にアンテナショップうなぎの寝床を立ち上げるとともに、現在まで地域文化商社として活動を続ける。地域文脈のリサーチから、メーカーとしての商品開発、問屋業・小売業を横断して連動させながら、地域の方々がやれなさそうな領域を事業化していく。2019年7月に株式会社UNAラボラトリーズ を設立、旅行業2種を取得して出版・ツーリズム・宿などの事業を展開予定。

    うなぎの寝床:https://unagino-nedoko.net/

MENTOR審査員(メンター)

  • 中村 多伽(ナカムラ タカ)

    株式会社taliki 代表取締役CEO

    京都大学在学中に国際協力団体の代表としてカンボジアに2校の学校建設を行う。その後、ニューヨークのビジネススクールへ留学。現地報道局に勤務し、アシスタントプロデューサーとして2016年大統領選や国連総会の取材に携わる。様々な経験を通して「社会課題を解決するプレイヤーの支援」の必要性を感じ、帰国後の大学4年時に株式会社talikiを設立。関西を中心に社会起業家のインキュベーションや上場企業の事業開発・オープンイノベーション推進を行いながら、ベンチャーキャピタル2社にて投資活動にも従事。

    株式会社taliki:https://www.taliki.co.jp/

  • 綾 利洋(アヤ トシヒロ)

    O-lab inc. 代表取締役|クリエイティブディレクター

    京都大学、米国Yale大学で化学修士号を取得後、バイオ医薬系企業での研究開発の傍ら夜間学校・独学などを経てロサンゼルス郊外のデザインファームに入社。シニアデザイナー兼プロジェクトマネジャーとしての職歴の後、2011年、o-labを京都にて創業。2016年o-lab inc. /オーラボ株式会社設立。良いクセで「おぉ」を生み出すデザイン、問い、解決の研究所代表として、分野間の不要な境界線が融解した自由な視点、感性とロジックが交差する思考により、伝統工芸から先端医療機器まで、分野を横断してデザイン、ブランディング、ディレクションを手がけている。2019年より京都工芸繊維大学 デザイン・建築学系 特任教授。

    o-lab inc.:https://o-lab.jp/

  • 田房夏波(タブサ ナツミ)

    株式会社和える 西日本事業責任者

    1988年 大阪生まれ。
    京都の高校を経て、2011年に神戸大学国際文化学部を卒業後、住友化学株式会社で経理・経営企画業務に従事。2015年より、和えるにて“0歳からの伝統ブランドaeru”京都「aeru gojo」ホストマザー(店長)を務める。2016年より現職。日本の伝統を次世代につなぐ仕組みづくりを促進すべく、新規事業の推進やパブリックリレーションズ(PR)、各地での講演活動等を担っている。

    和える:https://a-eru.co.jp/

ADVISORアドバイザー

  • 竹浪祐介(タケナミユウスケ)

    地方独立行政法人京都市産業技術研究所 デザインチーム主席研究員

    1975年生まれ 函館市出身
    金沢美術工芸大学 工業デザイン専攻 卒業
    プロダクトデザイナー喜多俊之氏に師事。
    液晶テレビ・ロボット・マッサージチェア・家具などのプロダクトデザインを担当。デザインへの科学的アプローチの必要性を痛感し、中京大学大学院 情報科学部 認知科学科 博士課程前期修了。京都市産業技術研究所デザインチームにて、主に地場産業のデザインにあたる。専門分野 プロダクトデザイン・伝統工芸品デザイン(おもに漆器・陶磁器)